描かれた中世城郭:城絵図・屏風・絵巻物【#図書館員の気になる一冊】
日本の城というと、そびえ立つ天守閣をイメージしがちですが、天守閣が造られ始めたのは、戦国時代。鎌倉時代や室町時代の城は、かなり簡素な構造をしていました。バリケードや堀による防御力の増強を、総じて「城郭を構える」と称しており、戦闘時に臨時で構築されたり、武士の住宅が戦時に城郭として利用されたり、寺院が城郭化したりしていたため、痕跡が残りにくいという特徴がありました。そんな城郭をどのように知るのか。本書は、その手掛かりを絵画に求め、中世城郭が描かれた屏風や絵巻物をまとめたもので