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やりなおし世界文学【#図書館員の気になる一冊】
本は1年間に約7万点も出版されている。次から次へ新たな本が出るので、一昔前に出た膨大な数の文学作品に手を伸ばす機会は正直多くはない。また、いわゆる「名作」と呼ばれる作品を読んだものの「よく分からなかった……」という感想に終わってしまった経験も、文学作品から遠ざかっている理由のひとつかもしれない。『やりなおし世界文学』は、芥川賞受賞作『ポトスライムの舟』や本年(2024年)の本屋大賞にノミネートさ
もっとみるカフカ素描集【#図書館員の気になる一冊】
昨年2023年はカフカ生誕140年、今年は没後100年という年です。カフカと聞くと、『変身』や『城』、『審判』といった不条理や非現実的な作風の小説を思い浮かべる方も多いと思います。小説の翻訳集や全集の他、いくつかの出版社の文庫本にも代表作が収められていますし、現在も新訳が刊行されるなど日本でも一定の読者層が存在しているようです。
20世紀の初めのチェコのユダヤ人作家。病弱ながらサラリーマンをし