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図書館員の気になる一冊

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奈良県立図書情報館に所蔵されている本の中から、図書館員が気になる1冊を紹介します。 (こちらの記事は、奈良県立図書情報館メールマガジン「Lib Info NARA -奈良県立図書… もっと読む
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#色

色のコードを読む : なぜ「怒り」は赤で「憂鬱」はブルーなのか【#図書館員の気になる一冊】

 サブタイトルにあるように、怒りを色で表すとすれば赤、「ブルーな気分」と言われれば少し憂鬱な感じを受けます。冠にセピア色と付けばどこかノスタルジックな空気が漂い、熱狂的なファンがアーティストに向けるのは黄色い歓声です。  色を使って感情などの形のないものを表現する例は多くありますが、用いられる色や、そこから受けるイメージは万国共通なのでしょうか。  本書イントロダクションでは、ドイツの文豪ゲーテが『色彩論』のなかで、色は純粋な科学現象ではなく、むしろ主観的な現象なのだと訴え色

「色の名前と言葉の辞典888」【#図書館員の気になる一冊】

 4月といえば、桜。図書情報館前の佐保川のソメイヨシノも綺麗に咲いています。桜一色だなあと花を見上げて、ふと「桜色」って本当はどんな色なんだろうと思いました。ソメイヨシノは白色が強い花ですが、県の花である奈良八重桜はもう少しピンク色をしているし、品種によって桜の花の色も様々です。決まった色があるのだろうか、そう思って手に取ったのがこの本です。  本書はタイトル通り、日本や世界の色、トレンドカラーなど全888色を紹介した色の辞典となっています。基本色名の他に、顔料や染料などの原