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図書館員の気になる一冊

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奈良県立図書情報館に所蔵されている本の中から、図書館員が気になる1冊を紹介します。 (こちらの記事は、奈良県立図書情報館メールマガジン「Lib Info NARA -奈良県立図書…
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#猫

おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った:世界ことわざ紀行【#図書館員の気になる一冊】

 今回取り上げる本のタイトルは、『おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った』。え?猫がかわいそう…、という話ではありません。これは「意外なところに道がある、解決策はひとつではない」という、フィンランド語のことわざです。言語にまつわるおもしろいエピソードが好きな著者が、海外ルーツの人や翻訳家などに会うたびに、ことわざを紹介してもらい、雑誌のコラムに書いていたものを、1冊にまとめたのが本書です。  タイ語の「表面に振りかけたパクチー」、ズールー語(南アフリカ)の「鼻が邪魔だと

月夜の黒猫事典 : 知られざる歴史とエピソード (ひみつの本棚シリーズ)【#図書館員の気になる一冊】

 黒猫と聞くと、どういったイメージをお持ちでしょうか。昔の日本では不思議な力があると考えられていたようです。『日本国語大辞典』によると、「黒猫」は、「全体の毛の色が真黒な猫。江戸時代には、これを飼えば労咳(肺結核)が治るという俗信があり、恋の病にも効験があるといわれた。」とあります。自由気ままで神秘的な猫の中でも、黒猫は特別な存在だったことがわかります。日本以外の国々でも、黒猫には特別な力があると考えられていました。そのことがわかるのがこの本です。  本書は、世界の黒猫にまつ