種をあやす : 在来種野菜と暮らした40年のことば【#図書館員の気になる一冊】
本書は、長崎・雲仙の地で農業を営む著者が、長年にわたり種採りを行ってきたこれまでのことを振り返り、これからの農業や野菜についての思いを綴ったものです。
「種採り」は現在の一般的な農業では普通のことではありません。なぜなら、現在流通する野菜のほとんどがF1種と呼ばれる種で作られているからです。F1種とは、品種改良され、一代でその一生を終える種のこと。種は採れず、採ったとしても二代目は上手く育たない。それと引き換えに、人間の口に合うよう味や香りの再現性を上げているのです。