note de 災害防災文庫
巨大災害の時代。想定外の大規模な地震や豪雨災害などが次から次へと発生し、自分たちもいつ被害にあわないとも限らない……と多くの方が不安を感じていることでしょう。これまで経験したことのない災害に冷静に対応できるリテラシーを高め、災害に強い社会を創ることがこれからの社会の課題といわれています。
皆さんも災害防災についての知識や情報をもっと詳しく得たいと思ったり、「災害とは何か?」という素朴な疑問をもつことはありませんか。 「災害防災文庫」コーナーではこういったときブラウジングで気軽に本を手にしていただけるよう、災害・減災・復興に関する資料や災害をテーマとした文学作品をまとめ展示しています。是非ご活用ください。
「防災人間科学」のカテゴリを10月より新設
ところで、豪雨災害が起こるたび、「避難指示が出ていたのに、逃げ遅れて被害にあった」という報道をよく聞きます。今年の9月1日「防災の日」に日本赤十字社が行った調査では、避難勧告・避難指示が出ていても「避難しなかった」と答えた人は全体の約半数だったそうです。
すぐに逃げなければならない場面で、実際そうなると「自分は大丈夫だろう」、「まだ大丈夫だろう」と避難行動にストップがかかるなんて……人はなぜ ”逃げる" という単純なことが簡単にできないのでしょう。防災・減災の問題には自然科学の知識に加え、人間科学の見地から、人の行動分析を通して解決していく必要があるようです。
図書情報館では、令和3年10月2日(土)に、「災害の記憶 ー被災を想起する、減災を喚起するー」と題し、防災人間科学の第一人者の矢守克也教授をお招きし講演会を開催します(なら・図書館に集う会主催)。矢守教授は、京都大学防災研究所・巨大災害研究センターをはじめ多くの研究機関でご活躍され、令和3年 防災功労者防災担当大臣表彰を受賞されました。今回は災害を記憶し伝承することの大切さと難しさについて、主として心理学の観点からご講演くださいます。
これを機に災害防災文庫では、10月より災害に関する心理学・社会学・教育学といった分野に関する本を集め、「防災人間科学」のカテゴリを新設します。ご利用のほどよろしくお願いいたします。
[館内案内図]
[災害防災文庫図書リスト]
最後に、たくさんある矢守教授の著書より3冊ご紹介します。
『防災心理学入門 : 豪雨・地震・津波に備える』
矢守克也著 ナカニシヤ出版, 2021.3発行
『天地海人 : 防災・減災えっせい辞典』
矢守克也著 ナカニシヤ出版, 2017.1発行
『「生活防災」のすすめ : 東日本大震災と日本社会』
矢守克也著 増補版 ナカニシヤ出版, 2011.7発行
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