【展示ツアー(前編)】ゴーリーの世界へ飛び込む——ゴーゴーゴーリー
11月10日(日)まで、当館2階にて「ゴーリーの世界へ飛び込む——ゴーゴーゴーリー」を開催中です。本展示を前編・後編の2回にわたってご紹介します!
開催の経緯
今回の展示は、奈良県立美術館で開催している特別展「エドワード・ゴーリーを巡る旅」の関連図書企画展であり、展示内容の提案から解説の作成まで、同館の学芸員さん全面協力のもと実現しました!
ゴーリーの著作だけでなく、ゴーリーに影響を与えた文化・芸術に視点を広げ、資料を集めています。
奈良県立美術館 特別展「エドワード・ゴーリーを巡る旅」
エドワード・ゴーリーについて
図書展示紹介
図書企画展での展示を写真と共にご紹介していきます!
※8月31日に撮影しました。
日本では、ゴーリーが亡くなった2000年に初めて、『うろんな客』『ギャシュリークラムのちびっ子たち:または遠出のあとで』『優雅に叱責する自転車』の3冊が翻訳出版されました。以降も、アメリカ文学研究者で翻訳家の柴田元幸氏によって続々と翻訳が進められ、現在30冊以上の著作と挿絵提供本が日本語で楽しめます。
図書展示「ゴーリーの本棚」
死後に残された蔵書は約2万6000冊にものぼる愛書狂だったゴーリー。残された書籍の多くは、サンディエゴ州立大学図書館に寄贈されました。
サンディエゴ州立大学図書館のEdward Gorey Personal Libraryは以下のリンク先からご覧いただくことができます。
図書展示「ゴーリー作品を構成するキーワード」
ゴーリーはその作風から、19世紀イギリスの作家だと勘違いされることがありました。実際に、ゴーリーに最も大きな影響を与えたものの一つにイギリス・ヴィクトリア朝の文学と美術があります。ゴーリーが最も敬愛した作家はジェイン・オースティン(1775-1817)で、美術に関しては、ゴーリーの描く緻密なモノクロームの世界の根っこには、ヴィクトリア朝の版画があると語っています。また、ヴィクトリア朝期の画家でありナンセンス詩人のエドワード・リア(1812-1888)の著作『ジャンブリーズ』と『輝ける鼻のどんぐ』に挿絵をつけて出版しています。
さらに、ゴーリーは自分の芸術への影響源に「ものごとがいわば凍りつく瞬間を捉えることのできる」画家として、イタリアルネサンスの画家パオロ・ウッチェロとピエロ・デラ・フランチェスカ、バロックの画家ジョルジュ・ド・ラ・トゥール、ヨハネス・フェルメール、同時代からはバルテュス、フランシス・ベーコンの名前を挙げました。
古今東西、多種多様な文化に接し吸収していたゴーリーから、いくつもの不思議な生き物が生まれました。中でもとりわけ人気の高い『うろんな客』の主人公は、突然家に入り込んできたまま、居座り続ける黒いペンギンのような生き物です。
ほかにも、丸い頭と胴体に足だけが付いた黒いブラックドールや、長い手足を持ったフィグバッシュなど、いずれの生き物も一見不気味な様相ながら、ユーモラスで愛嬌があり、ゴーリー独特の世界観を作り出すのに一役買っています。
後編へ続く…
今回ご紹介した本や説明を含め、展示している本や、解説を収録したブックリストを当館で配布しています。解説は、奈良県立美術館の学芸員さんにも作成をご担当いただきました!
ご紹介したのはごく一部ですので、ぜひご来館のうえご覧ください。
後編では『図書展示ぐるっと一周』動画もご紹介予定です。お楽しみに♪
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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