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本棚を旅する #9
分類をさらに分類したら?
今回は旅先の話からはじめてみます。
行き先は「1:哲学」。
ご存じの方もおられるかもしれませんが、図書を分野ごとに分類する日本十進分類法では、1つの分類をさらに10個の分類に分けています。ちなみにその先も10個に分けられており、分類によってはその先小数点以下にも数字が続いていきます。
つまり、整数部分は百の位まであり、さらに小数部分まで細分化する分類もあるということです。
では、哲学を細分化すると一体それぞれどんな分類になるのでしょう?
一緒に確かめに行ってみましょう。
今回の旅先は「1」
と、いうわけで、今回旅をするのはこのあたり。
![](https://assets.st-note.com/img/1715479548413-JzvYN4DWiZ.jpg?width=800)
まず紹介するのはこの1冊。
『生きるってなんやろか?』(請求記号:104-イシク)
![](https://assets.st-note.com/img/1715479598993-WRqpHkC8Gi.jpg)
/石黒浩, 鷲田清一著
そもそも「哲学」とは一体どんな学問なのでしょうか。
哲学者の鷲田清一氏は、哲学とは「訳がわからなくなって、考えること」だといいます。その言葉自体、意味を考えはじめると訳がわからなくなりそうですが、そうやって考えることこそがまさに哲学なのかもしれません。
答えを求めがちな現代において、正解のないものについて考えることにどんな意義があるのか。鷲田氏とロボット工学者の黒田浩氏の対談を通して、頭の中をかき乱されてみるのはいかがでしょうか。
棚を歩いていくと、「110」「120」「130」と哲学に関する本が続きます。そしてたどり着いた「140」の棚にはこんな本が。
『あなたも心理学者!』(請求記号:140.4-レヒシ)
![](https://assets.st-note.com/img/1715479691012-wnaFs9tkLm.jpg)
心理学に関する言葉として、例えば「プラシーボ効果」があります。これは有効成分が含まれていない薬でも、思い込みなどによって症状の改善や副作用が出ることを指します。
他にもこの本では、
・カクテルパーティー効果
・スタンフォード監獄実験
・ロールシャッハテスト
・パブロフの犬
などのキーワードが紹介されています。その中には、今では考えられないような実験に関係するものも。
果たしてそれぞれどんな「心」に関係する言葉なのか。言葉の意味を知るだけではなく、「心」の研究がどんな歴史を歩んできたのかも感じることのできる1冊になっています。
さらに次の棚へと向かうと、
『超図解宗教』(請求記号:160-クラン)
![](https://assets.st-note.com/img/1715480297694-Mpz1dgZBMM.png?width=800)
/マチュー・グランプレ文 ; マリルー・ダルモン絵
“宗教のネガティブな側面ばかりが表立って見える今日において”
「はじめに」に書かれているこの言葉は、刊行された2017年だけではなく、2024年の今でも十分当てはまるのではないでしょうか。
この本では様々な宗教について、インフォグラフィックという視覚的にわかりやすいイラストや記号を使用して解説されています。表紙に描かれているのがまさにインフォグラフィック。おかげで馴染みのない宗教にまつわる道具や、細かい所作も理解しやすくなっています。宗教の知らない側面を知るきっかけにぜひ。
1:哲学
今回の旅先「1:哲学」をさらに細かく見ていくと、「100:哲学」「110:哲学各論」「120:東洋思想」「130:西洋哲学」「140:心理学」「150:倫理学」「160:宗教」「170:神道」「180:仏教」「190:キリスト教」と分類されています。
哲学、という言葉からだけでは思いつかないような旅先もあったのではないでしょうか。
今までの記事では、一番大きな分類をメインに紹介してきましたが、その先には大きな分類からでは思いつかない世界が広がっていることもあります。
この記事をきっかけに、ぜひ過去に訪れた旅先を振り返ってみてはいかがでしょうか。
それではまた次回、最後の旅先でお会いしましょう。