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(11月17日更新)「月を想い、月から連想する」~BBB 図書情報館web展示~

こんにちは、奈良県立図書情報館のヤマです。みなさんは、月をじっくり観ることはあるでしょうか。2021年は「スーパームーン皆既月食」や「完全に円い姿の中秋の名月」や「たいへん深い部分月食」といった月を見る機会が多い年かと思います。
そんな「月」を今回BBBでは取り上げます。

11/19は部分月食を見よう!(11月17日更新)

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11月19日の夕方から宵にかけて、全国で「ほぼ皆既」の部分月食が見られます。部分月食の始まりは、16時18分ごろです。ただし、北海道や東北地方北部を除く地域では、月食の始まりは月が地平線の下にあって見られず、月が欠けた状態で空に昇ってくる月出帯食(げつしゅつたいしょく)となります。
今回の月食は、月の高度が低いので、東の空が開けた場所で観察するといいです。月が最も欠けて見える、食の最大は18時02分過ぎです。そして19時47分ごろには部分月食が終わります。
国立天文台YouTubeには部分月食のライブ配信が行われます。

連想した3冊

奈良県立図書情報館の職員に「月」に関する本を展示風に3冊選んでもらいました。

往古の月は来今の月
-月についての懐旧と未知との遭遇-

我々の住む地球にとって月はもっとも身近な天体です。地球とそれほど変わらない時期に誕生した月は当然のように人類の誕生から現在までずっと我々を照らし続けてくれました。人類もまた月を身近なものと思いつつ、その神秘に心打たれてきました。我々の心情はもとより、生活から文学に至るまで大きな影響を与え続けてきた月。そんな先祖の見ていた懐かしい月や子孫が見る新しい月、そしてあなたが見ている月をもう一度知ってみませんか。

『月と暮らす。 : 月を知り、月のリズムで』

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(藤井旭著、誠文堂新光社)

月と、月のある風景の美しい写真をメインとして、月と生活とのかかわりを紐解いていきます。人間の暮らしと深い関係にあり、潮汐、暦、バイオリズムにも影響を与えるとされる「月」の不思議と魅力を、月のある風景を芸術的にとらえた写真と共に紹介します。天文学的な解説は最低限とし、満月から新月、三日月、十五夜、十六夜、立待、居待、寝待など暦や文化に関するトピックを中心に紹介、古来からの月のめぐりと人間の生活の関係を解説します。また、月をモチーフとした芸術、占星術や神話、歴史的な側面からの解説を豊富に紹介。また月によってできる虹、昼間の月、海外での月と文化の関係など、天文書にはあまり紹介されない月に関わるエピソードを多数掲載します。美しい写真を眺めながら、月を知り、月に親しむことのできる書籍です。
(株式会社誠文堂新光社ホームページより https://www.seibundo-shinkosha.net/book/astronomy/18739/


月の本 : Perfect guide to the moon

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(林完次写真、角川書店)

新月、三日月、上限の月、九日月、十三夜の月、十六夜の月、小望月。満ちては欠ける、月の不思議。ページをめくれば現れる月に願いを込めたくなる、美しく静謐なビジュアルブック。
(KADOKAWAホームページよりhttps://www.kadokawa.co.jp/product/199999883625/


月学 : 伝説から科学へ

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(稲葉茂勝著、今人舎)

目次
1 月の位相(月の満ち欠け)の秘密(月の位相(月の満ち欠け)
「月齢」って、どういうこと?
日本の月のよび名
「1朔望月」とは?)
2 知ってスッキリ!月の大疑問(「月の錯視(Moon Illusion)」って、何?
「月の出」の時刻は、いつ?
上弦の月と下弦の月の見分け方は?
満月・新月は世界中で同じ日?
三日月と月食のちがいは?
日食が起きる理由は?
月は、どうやってできたの?)
3 月と日本人の心象風景(古典の鑑賞と暦のちがい
「歳時記」に見る月
季語が広げる俳句の世界
『小倉百人一首』の月の歌
随筆のなかの「月」)
巻末資料 月の基本情報
(版元ドットコムより https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784905530688

#連想してみた

さて、「月」から連想したものをBBB担当者で考えてみました!
いくつか聞いたことのある言葉もありますが、3つほど解説したいと思います!

連想図


?月食?

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「Credit: NAOJ」「クレジット:国立天文台」
(皆既月食2018年1月31日 22時30分(日本時間))

月食は、地球上の広い地域で同時に観測ができます。また古い時代から月食は記録されてたり、信仰に影響を与えたりしています。例えば古代のブリテン島(イギリス)に住んでいた人々は、冬至の日に月食がおこることを予言する必要がある信仰をもっていたらしく、紀元前1900年頃に建設が始まったストーンヘンジという巨石建造物は、冬至の月食も予言できる構造をもっているとされています。

ストーンヘンジ_パブリックドメイン


その月食はなぜ起こるのか?を国立天文台のホームページで説明しています。

地球と月は太陽の光を反射して輝く天体です。地球にも太陽の光による影があり、太陽とは反対の方向に伸びています。この地球の影の中を月が通過することによって、月が暗くなったり、欠けたように見えたりする現象が「月食」です。
月食は、太陽-地球-月が一直線に並ぶとき、つまり、満月の頃だけに起こります。ただし、星空の中での太陽の通り道(黄道)に対して月の通り道(白道)が傾いているため、ふだんの満月は、地球の影の北側や南側にそれたところを通ります。そのため、満月のたびに月食が起こるわけではありません。
(国立天文台ホームページより https://www.nao.ac.jp/astro/basic/lunar-eclipse.html

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「Credit: NAOJ」「クレジット:国立天文台」


?アポロ計画?

このようにはるか昔から観測されていた月ですが、ついに人類が到達することになります。それが、アメリカのNASA(アメリカ航空宇宙局)を中心とした1960年代に月面に人間を着陸させ、地球に安全に戻すことを目標とした有人宇宙飛行計画の最終計画であるアポロ計画です。
まず1人乗りマーキュリー計画(1958~1963)、次に2人乗りジェミニ計画(1961~1966)があり、最終計画がアポロ計画となっていました。これらの計画に投資された資金は、マーキュリー計画が3億9260万ドル、ジェミニ計画が12億8340万ドル、アポロ計画だけで250億ドルとNASAは発表しています。この点からもアポロ計画が巨大なプロジェクトであったことが分かります。
1972年12月のアポロ17号までアポロ計画は続けられ、13号を除いて、いずれも月面での地質調査や試料の採集などの探査を行いました。1970年4月11日に打ち上げられた13号は、打上げ2日後、機械船内の酸素タンクの破裂という事故がありました。月面着陸が不可能になったのはもちろん、3人の飛行士の生命も危ぶまれましたが、1970年4月17日太平洋上に無事帰還しました。この出来事は、映画「アポロ13」(出演トム・ハンクス、ケビン・ベーコン。監督ロン・ハワード。)でも描かれています。

ちなみに、JAXA(宇宙航空研究開発機構)では、2007年9月14日に月周回衛星「かぐや」(SELENE)を打ち上げ、当時アポロ計画以来最大規模の本格的な月の探査を行いました。その際HDTVによるアポロ11号着陸地点付近の撮影を行っています。


?神話?

先ほど紹介した月周回衛星「かぐや」を利用した月探査計画は「Selenological and Engineering Explorer」通称SELENE Project(セレーネ計画)と呼ばれていました。「SELENE」はギリシア神話の月の女神セレネにちなんだ名称です。他にも月には複数の神の名前が付いています。

セレネ(セレーネ、Selene)

アルベルト・オーブレト(英語版)『セレネ』(1880年) 個人蔵

(アルベルト・オーブレト作『セレネ』(1880年))

ギリシア神話の月の女神。ティタン族のヒペリオンとテイアの娘で、太陽神ヘリオスと、曙 (あけぼの) の女神エオスの姉妹。父はパラスまたはヘリオス、母はエウリファエッサとする説もある。ゼウスと交わって娘パンディアを生み、また美しい羊毛(あるいは一群の白牛または白羊)と引き換えに、牧神パンに身を任せた。さらに美貌 (びぼう) の羊飼いエンディミオンに恋し、不老不死のまま永遠に眠り続けたいとの彼の望みを約束どおりかなえてやった。そして、夜になると天から降りて彼に添い寝したという。
(日本大百科全書(ニッポニカ)より)

アルテミス(Artemis)

アントン・ラファエル・メングス『夜空にあるアルテミス』(1765年)

(アントン・ラファエル・メングス作『夜空にあるアルテミス』(1765年))

ギリシア神話の処女神。ゼウスとレトの娘。アポロンの双子の妹。ローマ神話ではディアナと同一視されている。若くて美しい彼女は狩りを好み、弓矢で武装して山野を駆け鹿 (しか) を追う。その矢はときに人間にも向けられ、産褥 (さんじょく) の女に苦痛のない死をもたらす。またこの女神は執念深く、犠牲者は多い。母親レトを侮辱したニオベに対しては、その娘たちを殺戮 (さつりく) することで報い、レトを犯そうとしたティティオスをも射ち殺した。さらに女神の怒りを買った巨人の狩人 (かりゅうど) オリオンは、女神が贈ったサソリの毒で死に、水浴するアルテミスの裸身を見たアクタイオンは鹿に変身させられ、犬の餌食 (えじき) とされた。アガメムノンは女神を挑発したため、ボイオティアの港市アウリスで娘イフィゲネイアを犠牲に捧 (ささ) げねばならなかった。アルテミスは、アルカディア、スパルタ、ラコニアなどの古代ギリシアのすべての山間地域で崇拝された。もっとも有名な神殿はエフェソスにあり、多数の乳房をもつその女神像には、アジア的な地母神の影響が認められる。またアルテミスは、一般に月の擬人化として解釈されているが、その信仰はすべてが月に関連するわけではなく、野獣を支配する女神としての性格も濃厚で、さらにタウリスのアルテミス像のように、人身御供 (ひとみごくう) を要求するという恐ろしい一面も備えている。
(日本大百科全書(ニッポニカ)より)

ツクヨミ(つくよみのみこと・月読尊・月読命・月夜見命)

z tanuki_月讀宮_CC 表示 3.0

「⽉読宮」(皇大神宮(内宮)別宮)
(z tanuki、月讀宮、CC 表示 3.0)


日本神話に登場する月の神。伊奘諾尊の子で,天照大神(アマテラスオオミカミ)の次,素戔嗚尊(スサノオノミコト)の前に生まれた。「つく」は月の古語,「よみ」はひとつずつ数えること。よって,この神の名は月齢を数える意。『古事記』では月読命と書かれ,『日本書紀』には月夜見尊,月弓尊と書かれた例もある。『古事記』に,この神が登場するのは,誕生してすぐに夜の国の支配を父に命じられる個所だけだが,『日本書紀』には,この話のほか,口から多くの食べ物を吐き出して饗応しようとした保食神(ウケモチノカミ)をツクヨミが切り殺したために姉のアマテラスがひどく怒り,もう弟とは会わないといったのがもとでアマテラスとツクヨミつまり太陽と月とは時を隔てて空に出現するようになった,という伝承もみえる。
<参考文献>松村武雄『日本神話の研究』2巻
(『朝日日本歴史人物事典』より)

展示

10月2日よりリニューアルをした当館2階の展示スペースにて、noteに関連した図書展示を行っています。

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展示されている本のリストは↓になります。

そして、みなさんから紹介していただいた本も展示します。そこで・・・

みなさんの知っている「月」が出てくる本、「月」に関する本を、教えてください!
展示コーナーにて紹介させていただきます!(展示できない場合もあります)(そのときは、ごめんなさい!)一緒に展示を作りましょう!

例えば、こんな感じに

『もしも月がなかったら』ニール・F・カミンズ著

もちろん、本の感想等を含めて投稿しても大丈夫です。
お待ちしております!

参考資料
「日本大百科全書(ニッポニカ)」
「国立天文台ホームページ」
「JAXAホームページ」

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