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大阪フィルハーモニー交響楽団団員による弦楽四重奏コンサート 開催

図書情報館では、様々な音楽イベントを開催しています。
今回は、2021年9月20日に開催する、大阪フィルハーモニー交響楽団団員による弦楽四重奏コンサートについてご紹介します。
※コンサートの参加申込みは、受付を終了しています。

♪大阪フィルハーモニー交響楽団♪

その歴史は、1947年に朝比奈隆氏を中心に結成された「関西交響楽団」まで遡り、1960年に現在の名称である大阪フィルハーモニー交響楽団に改称されました。朝比奈氏は、創立から2001年まで音楽総監督・常任指揮者などを務め、50年以上にわたってオーケストラを率い続けました。朝比奈氏の没後は、大植英次氏、尾高忠明氏が音楽監督を引継ぎ、フェスティバルホール(大阪・中之島)を中心に全国各地で演奏活動を展開しています。関西の老舗オーケストラとして親しまれている大フィルは、重厚なサウンドを備え、ベートーヴェンやブルックナーの大曲における真摯な演奏を通じて、多くのファンに愛されています。
参考)公式HP https://www.osaka-phil.com/

オーケストラ


当日のプログラムは、チャイコフスキーやスメタナの弦楽四重奏曲を予定しています。

♪チャイコフスキー♪

ピョートル・チャイコフスキー Peter Ilyich Tchaikovsky(1840~1893)
19世紀後半のロシアの作曲家。幼少期から音楽に熱心でしたが、法律学校へ入学後、法務省へ勤務しました。勤めながらも音楽の勉強を続け、法務省を退職後は本格的に音楽家への道を進み始めました。モスクワ音楽院で教えながら音楽活動に励み、彼の音楽の良き理解者であるメック夫人から財政的援助を受けながら「弦楽セレナード」や「交響曲第六番」等、数多くの作品を生み出しました。
特にバレエ音楽の「白鳥の湖」「眠りの森の美女」「くるみ割り人形」は、チャイコフスキーの代名詞にもなっています。

チャイコフスキー

♪スメタナ♪

ベドルジヒ・スメタナ Bedřich Smetana (1824~1884)
スメタナは、19世紀のチェコの作曲家。当時まだオーストリア領だったボヘミアで生まれ、プラハでピアノと理論を学び、音楽教師をしながら創作を始めました。民族独立運動にも参加し、民族主義的な音楽の指導者として国民歌劇場のためにオペラ「売られた花嫁」を作曲、成功をおさめました。50歳を過ぎてから耳の病気が悪化し、精神も不安定になっていきましたが、聴覚を失ったのちも「モルダウ」など6曲からなる交響詩「わが祖国」などの作品を生み出し、チェコ国民楽派の祖といわれています。

スメタナ


次に、演奏していただく弦楽四重奏についてご紹介しましょう。

♪四重奏♪

複数の楽器を使った合奏を重奏といい、楽器の数によって二重奏から九重奏まであります。弦楽四重奏は、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロという4つの楽器による、弦楽の合奏の形態としては最も一般的な編成です。四重奏には、弦楽器にピアノを加えたピアノ四重奏やフルートを加えたフルート四重奏などがありますが、重奏の中で特に弦楽四重奏は、室内楽の最高の形式といわれ、古典派、ロマン派の室内楽の基本的な演奏形態として、多くの作曲家によって優れた曲が書かれています。

2017大フィル

(2017年4月1日のコンサートのリハーサルの模様)

♪ヴァイオリン♪

ヴァイオリンは全長60cm程の大きさで、ヴァイオリン族のなかで最も高音域を担当し、オーケストラや室内楽でも主旋律を奏でていることが多い楽器です。オーケストラのリーダー役である“コンサートマスター”も、一般的に第1ヴァイオリンの首席奏者が担当します。
そんななじみのあるヴァイオリンですが、誰がいつの時代に作りだしたのか、詳しいことはわかっていません。先祖と思われる弦楽器はいくつか存在しますが、他の楽器と違い改良を重ねていき完成したのではなく、突然完成された楽器として現れたといわれています。細かな改良が加えられてきたものの、現在のヴァイオリンも誕生当時と同じ形をしています。

バイオリン2

♪ヴィオラ♪

ヴィオラはヴァイオリンより一回り大きい楽器です。大きさの違いから、ヴァイオリンより音が低いものの、楽器の形も演奏の方法も同じ。にもかかわらず、ヴィオラのソリストは少なく、ヴィオラ奏者の今井信子さんによると、1960年代には日本にヴィオラのソリストはおらず、通っていた音楽高校にヴィオラ専門の先生も、専攻もない状態からのスタートだったそうです。練習曲もヴァイオリン用を流用することが多いけれど、音の出し方は全く違っていて、その音色はまろやかであたたかく、深みがあり表現力が豊か。ヴァイオリンと同じようで違う、ヴィオラの不思議な魅力です。

♪チェロ♪

チェロは全長120cmと小学校低学年の子ども程の大きさで、楽器は大きいものほど音が低くなりますが、高音域はヴィオラとあまり変わらず、広い音域をカバーできる楽器です。オーケストラやアンサンブルで、メロディーを担当することもあります。椅子に座り楽器を縦に構える姿が印象的ですが、誕生当時は膝に挟んだり、床に直接置いて弾かれていました。19世紀のチェロの名手セルヴェがエンドピン(ボディの下部にある、楽器を支えているパーツ)を発明し、楽に支えられるようになりました。エンドピンは金属やカーボンファイバーやチタン製で、楽器に差し込み、ネジで長さを調節できるようになっています。

チェロ2


この紹介文は、当館で所蔵している図書を使って作成しました。
9月14日~26日には、2階で図書の展示を行いますので、併せてご覧いただけたらと思います。

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参考)
『最新世界のオーケストラ名鑑387』音楽之友社 2009.7
『クラシック音楽事典』戸口幸策監修 平凡社 2001.7
『クラシック作曲家事典 : 検索キーワード付』渡辺和彦監修 学習研究社 2007.11
『楽器の事典』長尾泰, 川俣隆著 ナツメ社 2009.8
『楽器の事典ヴァイオリン 増補版』ショパン 1995.12
『ヴァイオリンとギターの演奏 : 弦楽器のなかまたち (はじめての楽器)』三木好良執筆 文研出版 2008.3
『今井信子憧れ : ヴィオラとともに 増補版』今井信子著 春秋社 2013.7
『楽器の事典』長尾泰, 川俣隆著 ナツメ社 2009.8


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