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図書館員の気になる一冊

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奈良県立図書情報館に所蔵されている本の中から、図書館員が気になる1冊を紹介します。 (こちらの記事は、奈良県立図書情報館メールマガジン「Lib Info NARA -奈良県立図書…
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#歴史

おみくじの歴史 神仏のお告げはなぜ詩歌なのか【#図書館員の気になる一冊】

 子どもの頃、月のはじめに神社にお参りするのが習わしだった。楽しみは「おみくじ」。しかし今から思えば、示された運勢に一喜一憂するばかりで早々と紐に結びつけ、満足していたものだ。現在は内容を読むようにはなったけれども、和歌にまで注目しているだろうか。  本書は、和歌や漢詩といった詩歌が神仏のお告げとみなされるようになったのはなぜなのかを主題とする。さらにはルーツである古代の卜占から、誰がつくっているのか、何度引いてもいいのか等、謎に満ちたおみくじの歴史を豊富な事例を通して紹介す

「星座の起源 : 古代エジプト・メソポタミアにたどる星座の歴史」【#図書館員の気になる一冊】

 夜空を見上げれば、そこにはたくさんの星が輝いています。今の季節だと、はくちょう座のデネブやさそり座のアンタレスなどが有名なのではないでしょうか。  人類は太古より星を眺め、観測し、そこから様々な情報を得たり、星の並びに意味を見出そうとしたりしてきました。日本でよく知られている星座にまつわる物語の多くは、古代ギリシャを起源としています。しかし、その古代ギリシャに起源を持つ星座には、さらに古い時代、つまり古代エジプトやメソポタミアにその原型があったのではないか。本書はこの説に始