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図書館員の気になる一冊

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奈良県立図書情報館に所蔵されている本の中から、図書館員が気になる1冊を紹介します。 (こちらの記事は、奈良県立図書情報館メールマガジン「Lib Info NARA -奈良県立図書… もっと読む
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2023年4月の記事一覧

「色の名前と言葉の辞典888」【#図書館員の気になる一冊】

 4月といえば、桜。図書情報館前の佐保川のソメイヨシノも綺麗に咲いています。桜一色だなあと花を見上げて、ふと「桜色」って本当はどんな色なんだろうと思いました。ソメイヨシノは白色が強い花ですが、県の花である奈良八重桜はもう少しピンク色をしているし、品種によって桜の花の色も様々です。決まった色があるのだろうか、そう思って手に取ったのがこの本です。  本書はタイトル通り、日本や世界の色、トレンドカラーなど全888色を紹介した色の辞典となっています。基本色名の他に、顔料や染料などの原

「ヘルシンキ生活の練習」【#図書館員の気になる一冊】

 著者の朴沙羅さんは社会学者で、2020年2月、フィンランドに移住しました。本書は、日本から約7,500km離れたフィンランド、ヘルシンキの地で、しかも新型コロナウイルスという未知の感染症流行下において、2人の幼い子どもと1から生活を始めた著者の暮らしの記録です。  フィンランドなどの北欧諸国は、日本からはある種のユートピアのように見なされることが多いのではないでしょうか。フィンランド生まれの「ムーミン」や「マリメッコ」も、穏やかで牧歌的なイメージに影響しているかもしれません