「戦後日本の文化運動と歴史叙述:地域のなかの国民的歴史学運動」【#図書館員の気になる一冊】
1950年代前半、「村の歴史・工場の歴史」をスローガンに、国民的歴史学運動が展開されました。これは共産党による引回しの側面を強く持っていました。加えて当時武装革命路線を取り、後に党を除名されていく面々(概ね所感派、後の親中国派の系譜で、代表的人物としては、ぬやま・ひろしこと西沢隆二)の領導によっていました。
そのため、マルクス主義の方法論に批判的な歴史家はもちろん、戦前の日本資本主義論争における講座派の流れを汲み、その後も長く影響力を保ち続けた共産党員及びシンパの歴史家で