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図書館員の気になる一冊

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奈良県立図書情報館に所蔵されている本の中から、図書館員が気になる1冊を紹介します。 (こちらの記事は、奈良県立図書情報館メールマガジン「Lib Info NARA -奈良県立図書… もっと読む
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2022年11月の記事一覧

「時代劇聖地巡礼」【#図書館員の気になる一冊】

 「聖地巡礼」といえば、コミックやアニメーションのファンのなかでは、その作品の舞台や関係する地域を「聖地」として「巡る」ことを意味します。私も以前、あるコミックを全巻読み、その舞台や地域を是非観光したいと考え、長崎県に行ったことがあります。  今回ご紹介するのは、コミックやアニメーションではなく、時代劇を対象にした「聖地巡礼」のガイドブックです。映画史・時代劇研究家の著者が、実際に取材した京都と周辺のロケ地41ヵ所を読者が追体験できるように、12日間の取材を時系列で案内してい

「よみがえる正倉院宝物 御大典記念特別展 再現模造にみる天平の技」【#図書館員の気になる一冊】

 奈良の秋の風物詩である「正倉院展」がまもなく開催されます。  本書は、令和2年(2020)に全国8カ所で開催された、御大典記念 特別展「よみがえる正倉院宝物-再現模造にみる天平の技-」の共通図録です。  正倉院宝物とは、東大寺の最も重要な資材を納める正倉院正倉に収蔵されて伝えられた約9000点におよぶ文物群を指します。始まりは、天平勝宝八歳(756)、聖武天皇の崩御に伴う光明皇后による東大寺盧舎那仏(大仏)への天皇遺愛品の献納でした。大仏への献納はその後も三度にわたって行わ