「沈黙の塔」「食堂」(鴎外全集第7巻所収)【#図書館員の気になる一冊】
今年は森鴎外(1862~1922)の生誕160年・没後100年にあたります。文庫本の読書フェアなどでも必ず一冊や二冊は選ばれているのですが、夏目漱石に比べると少し地味で固い印象があるかもしれません。また、鴎外が生涯官僚として勤め上げたのに対し、漱石は国民的作家として、(お札の肖像画にも選ばれ)、その存在が広く親しまれていたということがあるかもしれません。ところで、鴎外と聞くと、どんな作品を思い浮かべますか?教科書で『舞姫』に出合った方もおられるでしょう。あるいは、安寿と厨子