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世界のブックデザイン2022-23 ドイツ編

「世界のブックデザイン2022-23」作品紹介、今回はドイツ編をお届けします!
ドイツ編で紹介するのはこちらの作品です。

ドイツの最も美しい本 2023  一般文学
『eure paläste sind leer (all we ever wanted) u.a., Reine』
[あなた方の邸宅は空っぽです(私たちが欲しかったすべてのもの)他 シリーズ]
著者:Thomas Köck, Sivan Ben Yishai, Miroslava Svolikova 他
写真:Thomas Köck, Max Zerrahn 他
発行:Suhrkamp Verlag, Berlin
価格:EUR 16.00 発行部数:2,000 ISBN:978-3-518-43096-5 他
デザイン・タイポグラフィ・表紙:Hanzer Liccini (studio hanli, Berlin)
印刷:Druckerei C.H. Beck, Nördlingen
製本・小口印刷:Druckerei C.H. Beck, Nördlingen; Buchbinderei Richard Mayer GmbH, Esslingen/ Zell
フォント:ABC Arizona
用紙:[本文]Lux cream, Vol. 2.,00, gelblich [ 表紙]Peydur Neuleinen (Peyer Graphic)

どの角度から撮ろうか、この順番のほうがいいんじゃないか、と写真撮影の手が止まらないほど、魅力的な作品です。
あらゆる角度からの写真をご覧ください。

背表紙をパシャリ
小口も色鮮やか!
それぞれの面の色が違ってとても華やかです。
一冊ずつはこのような色合いです。
こんな角度からも!

表紙を見ただけで、色鮮やかな5冊に目を奪われますが、さらに小口、天地を見てみると、それぞれの色が異なることに驚きます!

いろんな角度から眺めてみたり、5冊の順番を並び替えてみたり…
内容がわからなくても、見ているだけでわくわくするような作品です。

ぜひ来館して、手に取ってご覧ください。

最後に、コンクールの審査コメントをご紹介します。

 現代劇をポケットに入れて手に取れる、新たな「Suhrkamp Theater(ズールカンプ劇場)」シリーズは常に成長している。
 表紙はリネンのような手触り。はっきりとした色に、黒字で作品名、著者名、出版社名が印刷され、同サイズの文字が、数段ごとに徐々に細字に変わる。この文字列は本の背の非常に近くに配置されている。普通なら少し隙間を開けるものだが、表紙の強い色の持ち味を邪魔しないようその隙間を減らしている。
 小口の色彩がコントラストを生み出している。特筆すべきは前小口の3 色目だ。想像してほしい。それぞれ色が異なる多数の巻を隣同士に、もしくは上下に、整然と、あるいは少しずつずらして重ねた時のキュビズム的な色彩の華やかさを。もし、背を向けたまま本棚に整然と並べられているだけならとても残念だ。何故ならこのシリーズは、各巻を左上に少しずつずらして重ねたときにこそ、色彩の魅力をいかんなく発揮できるからだ。
 このシリーズの元となった「edition suhrkamp(エディション ズールカンプ)」の伝説的なデザインは、居間においても演劇的な効果を発揮した。虹色のスペクトルを備えた表紙は、半世紀以上も前に採用されたものだ。本棚に足りない色(の表紙の本)を買い求める人もいたようだ。「ズールカンプ劇場」新シリーズの基本的なデザインは、21 世紀からウィリー・フレックハウスへ向けた素敵な挨拶ともいえる。

ドイツの最も美しい本 2023 審査コメント

~おまけ~
撮影の裏側を少しだけお見せします。

「世界のブックデザイン2022-23」
会場:奈良県立図書情報館 3階ブリッジ
期間:2024年6月1日(土)~7月30日(火)
※会期中、毎週月曜日(7月15日(月)は開館)、6月28日(金)、7月16日(火)休館
開館時間:9~20時
入場無料

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