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「「一万円選書」でつながる架け橋 : 北海道の小さな町の本屋いわた書店」【#図書館員の気になる一冊】

 「一万円選書」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。北海道砂川市にある小さな書店「いわた書店」で行われている、本の選書サービスです。メディアでも話題となったのでご存知の方も多いかもしれません。
 選書にあたっては、店主の岩田さん特製の「選書カルテ」を応募者に記入してもらい、それを元に1万円で購入できる本を9~13冊ほど選びます。質問項目は「これまでに読まれた本で印象に残っているベスト20は?」「何歳のときの自分が好きですか?」のほか、時には「あなたにとって幸福とは何ですか?」のように哲学的な質問も。
 そんな質問の答えから、一人ひとりに寄り添い、「10冊なら10人の賢者を紹介する気持ちで、本を選んでいる」のだそうです。応募者にとっては、カルテを書くだけで自分を見つめ直す機会にもなり、その心が開いた状態で、岩田さんからお勧めの本が届くので、スーッと本の内容が染み込んでいくのではないでしょうか。
 かつては「いわた書店」も廃業寸前まで追い込まれた時があったそうです。しかし、様々な方法を試す中で、高校時代の先輩の一言「一万円で本を見繕ってよ」を受け、それに応えたことがきっかけで起死回生のサービスを生み出すことができました。岩田さんの紆余曲折も書かれた本書で、その諦めない姿勢と本への情熱をぜひ感じとってみてください。

(かとう ゆみ)

『「一万円選書」でつながる架け橋 : 北海道の小さな町の本屋いわた書店』岩田徹著 竹書房 2022.2

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