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本棚を旅する #8

本棚を旅する

本棚を旅するではこれまで「5:技術」や「8:言語」、「4:自然科学」など様々な場所を訪れてきました。

残る旅先もあと3か所。

果たしてどんな旅先が待っているのか。
想像しながら、今回の旅先に向かってみましょう。

今回の旅先は「6」

と、いうわけで、今回旅をするのはこのあたり。

到着してまず目についたのがこの1冊。

『ビジュアル世界切手国名事典, 中東・アフリカ編』(請求記号:693.8-イタハ)

ビジュアル世界切手国名事典, 中東・アフリカ編 板橋祐己著

メールやSNSなどデジタルでのやりとりが主流となった現代において、切手を使っているという方は少ないかもしれません。例えば、現在の84円切手の絵柄はなんでしょう?と聞かれて、答えが出てくる方はどれくらいいるでしょうか。しかし、切手はただ手紙や荷物を運ぶためのものだけではなく、その国その時代を映しており、実際、切手コレクターの方もいらっしゃいます。
今回の本では中東・アフリカの切手が紹介されています。中東やアフリカには植民地の歴史を持つ国も多く、切手からもその移り変わりを伺うことができます。
他にもヨーロッパ・アメリカ編、アジア・オセアニア編もあるので、比較してみるのも面白いのではないでしょうか。

次の本は打って変わってシンプルな表紙のこちら。

『おいしいデ』(請求記号:674.3-ウメハ)

おいしいデ 梅原真著

高知を拠点にローカルな商品のデザインを手掛ける梅原氏。目次を見ると、かつお、竜馬、くり、アイスなど様々な商品がずらり。この本では、ただ商品のデザインを紹介するだけでなく、その商品に携わる生産者に対する思いも書かれています。どうしてその商品のデザインを引き受けたのか。そもそもどうしてローカルにこだわるのか。
なお、シンプルながらインパクトのあるこちらの表紙は、梅原氏自身が手がけたものです。

さらに棚を見て歩きます。

『飼いならす』(請求記号:642-ロハツ)

飼いならす : 世界を変えた10種の動植物 アリス・ロバーツ著 ; 斉藤隆央訳

「狩猟採集民だった私たちの祖先は、動植物の飼育栽培によって、現代世界への道を歩み始めました。」アリス・ロバーツ氏のそんな言葉からはじまるこの本では、人間がどのようにして様々なものを「飼いならしてきた」のか述べられています。例えばイヌ。例えばジャガイモ。例えばヒト。
ヒトってどういうことだろう、と思われるかもしれませんが、本書では人類は文明が発展するとともに自分たちが飼いならしてきたものがなくてはならないよう、飼いならされてしまっているのではないかと述べられています。
自然との共存が求められる現代において、果たしてどうするべきなのか。考えるきっかけとしていかがでしょうか。

6:産業

今回の旅先はずばり産業。紹介した『ビジュアル世界切手国名事典』は郵送業、『おいしいデ』は商業、『飼いならす』は畜産業にあたります。他にも農業、園芸、運輸などもここに含まれます。
“産業”と聞くとどうしても仕事のイメージが湧きやすいですが、単に仕事に関する本だけではなく、人間が昔から営んできたものの流れを感じることができる本がたくさん並んでいる旅先でもありました。

それではまた、次の旅先でお会いしましょう。

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